2023.11.27
ルネサンス デザイン・美容専門学校との連携による「未来の地元クリエイター育成」をテーマにしたmusuvimeメンバーによる特別講義の第3回が2023年9月25日(月)に開催されました。
第3回講師は、株式会社クロスデバイス所属のグラフィックデザイナー中村麻衣子さんが登壇しました。
中村さんは、京都の制作会社で4年間勤務、デザイナーとして新しい領域へのチャレンジやさらなる成長を臨み、地元浜松の広告企画制作会社に転職しグラフィックは勿論のこと、WebデザインやUI、SNS関連での制作等、幅広くデザインワークをしています。
第1回・2回の講師の方と違い、中村さんは社員として会社に所属する、いわゆる「インハウスデザイナー」です。制作業務に集中できる、協力体制のあるチームといったインハウスならではの環境メリットがあると講義内で話されていました。
中村さんの講義は、ファシリテーターの質問に答える質疑応答形式でした。学生の皆さんが普段疑問に思っていたり悩んでいることに対して包括的に補完する、自分の経験を元にしたリアルな回答だったと思います。
第3回特別講義概要は以下の通りになります。
● デザインへのこだわり
→ 構成しているもの全て「写真」「文字」「余白」「配色」が、美しくないといけない。(写真選定、トリンミングや色の調整の大切さ、文字調整)
● 「壁」「苦手」の打開、克服方法
→ 他に人に客観的な意見を求める。
→ 最初から苦手だと決めつけない。フラットな気落ちで取り組む(参考のデザインやテイストにあった技法を収集する等)
● 結婚、妊娠・出産を経たクリエイティブワーク
→ 今までにない消費行動を経験、子育てしながら働くという難しさといった経験を積むことで、ターゲットの心理をリアルに感じる分野も増え、クリエイティブ面でプラスに。
● 女性クリエイター、デザイナーの良い点
→ 女性にしかない経験もあるので、その視点を活かせることは多い。
→ ジェンダー視点のクリエイティブは女性の方が、感度が高い。
● クリエイティブ業界で生きていける人
→ 負けたと思ったら、より良くしたい気持ちが生まれるので負けず嫌いは大事。
→ 自分の価値観だけでなく、様々な人の視点を想像できる人、受け入れることができる柔軟な人。
→ 新しいことへ挑戦できる人。
● 「才能」について
→ 仕事が好きで努力を惜しまないのは才能。
→ 高いアンテナをもち、様々な情報や日常の出来事から、これだというものを見逃さない人はすごい。
● AIとデザイナーの違い
→ AIは蓄積したデータを元に生成するため、安定はしているがOKラインのデザインの域を出ない。
→ 人の思いやリアルな体験、感性まで汲み取った感情のあるデザインで、お客さんの想像を超えるデザインを作りたい。
● デザインワークで大切にしていること
→ 依頼者の想定を、少しでも上回りたい。
→ ストーリーを考えながらデザイン。ユーザー感情や導線を想像しながらレイアウトや文字などを考えている。
● グラフィックデザイナーの魅力
→ 自分の作成したツールが、目に見える形でダイレクトに世の中に出てゆき、お客さんやユーザーが喜んでくれること。
● デザイナーの仕事
→ 経験を積めば積むほど上手になれるし、成長を実感できるやりがいのある仕事。やりがいは、機動力。
講義に加え、「浜松の銘菓を詰め込んだパッケージ」という仮想商品に対して、チームでロゴマークやパッケージデザインを考えるワークショップも行いました。
「デザインする」という単独的な作業をあえてチームで行うことにより、他の方の意見やアイディアを聞いてまとめるという、ある意味「制作会社内でのワークシミュレーション」を体験してもらいました。チーム内相談ー立案・まとめー手書きによるデザイン作成を短い制限時間内で行いました。
「浜松を発信する取り組み」「ワンランク上のお土産」といった条件に対して、「贈り物」「プレゼント」といった観点から、花束をモチーフにしたパッケージ案や浜松市章や楽器をモチーフにしたロゴマークデザイン等、自由な視点や考えで各チームとも素晴らしいプレゼンテーションが行われました。
講義後の学生さんアンケートでは、「デザインの引き出しを増やすこと」といった事項で多くの反響がありました。ワークショップを通じて、考える・まとめる・ビジュアル化するといった一連の流れを、納期が設定されている業務に対し、様々な角度から多彩なアイディアを出し精度を高めるためには、普段レベルからストックする必要性を感じとってもらえたのではないでしょうか。
今回の講義を通じて、学生さんたちにデザインワークは領域が決められておらず、積み重ねによる成長が自分自身で実感できるやりがいのある仕事だと少しでも感じてくれたのであれば、本企画実現に取り組んだ学校側関係者・講師の方・musuvime関係者共通の喜びになると思いました。
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