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2022.06.29

女性に届けるデザイン講座 【PART2】「微妙な色の違い」を理解して使いわけよう!


musuvime(むすびめ)デザイナーの久米です。


「女性に届けるデザイン講座」第2弾は、「『微妙な色の違い』を理解して使いわけよう!」です。
女性向けのデザインに求められる繊細な色使いについて、メカニズムや色選びについてご紹介いたします。

第1弾の「かわいい!」をどこかにしのばせるはこちら

 

 

女性にとって「微妙な色の違い」は重要な判断材料

 

ジェンダーレス化が進んできてはいますが、やはりデザインをしていると男性と女性の好みや認識には違う傾向が見られます。特に、女性にとって「微妙な色の違い」は商品やサービスを購入する上で重要な判断材料になると言われています。

 

男性と女性とでは、色の見え方に違いがあることが研究で発見されたそうです。一般的に男性は色を「赤」「青」と識別しているため認識している色数は7色、対して女性は、赤は赤でも「チェリーレッドとカイエン」、青だったら「空色とターコイズブルー」など色ごとの微妙な違いごとに名前をつけて認識しているので、7色ではなく29色にみえるといわれています。(※全ての方に当てはまるわけではありません)

女性と男性で、認識している色の数が違うと言われるのはなぜでしょうか?
それは「脳の色を処理する能力の違い」、そして「進化の過程」が関係しているからです。

石器時代(マンモスなどがいた時代)をイメージしてください。
男性は、狩りにいくので、物事を瞬時に判断する必要があった、したがって、動体視力が優位になった。
対して女性は、食べ物が腐ってないか?とか、顔色で体調を見極める、とか、色をじっくり観察して判断する必要があった。したがって、色の識別能力が優位になったそうです。

つまり、現代においても女性は「微妙な色の違い」が意思決定の重要な判断材料になると言われています。そのため女性向けのデザインでは、色の持つ意味や、微妙な雰囲気の違いをふまえた上で、より慎重な色選びが求められるということです。

「2種類のピンク」を上手に使い分ける!

 

例えば、女性向けのデザインでよく使われる「ピンク」。この色ひとつとっても、「青みのピンク」と「黄みのピンク」では全く異なる印象を与えます。

並べてみると、かなり違う印象を受けるのではないでしょうか?

<青みピンクの特徴>
派手、クール、近代的、テクノロジーなど
どちらかというと「背伸び」した印象を与えやすいです。

 私はスポーツウェア、ジュエリーなどの、非日常感や派手さを訴求したいときに、この青みピンクを使うことが多いです。また、工業製品を扱うサイトで使う差し色も青みピンクを使うことがあります。

<黄みピンクの特徴>
親しみやすさ、ナチュラル、温かみなど
どちらかというと「等身大」の印象を与えやすいです。

私は、カジュアル系のファッションや、キッチン雑貨などの、生活感がある製品の時はこの黄みピンクを使うことが多いです。あとは、着心地や肌触り、やさしさ、などリラックス感を訴求したい時や、麻・綿などの自然由来の素材などエコ系の商品はこちらの黄みピンクを使うようにしています。

  

「白さ」を際立たせるなら「青みピンク」

 

美白系の化粧品や、ホワイトニングなど、「白さ」を訴求したいときは、青みピンクがおすすめです。

なぜかというと、黄みは”くすみ”と判断されるので、訴求したい「透明感」のイメージを損なってしまう可能性があるからです。

  

まとめ

 

今回は、難しいけれど楽しい「色」の選び方のお話でした。

「青みピンクと黄みピンク」の違いのように、どんな色を使うかでデザイン全体の仕上がりが大きく変わってしまうので、私はデザインを制作する時、色選びに時間がかかることが多いです…。

それぞれの色が持つ特徴を知った上で、扱う商品やターゲットによって上手に使い分けてデザインしたいですね。「こういう考え方もあるんだな」と思っていただけたり、色について考えるきっかけになれば嬉しいです。

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